頭の中がばらばらの3人が、提案書を作って気づいたこと
はじめまして!18卒の新入社員、デザイナー職の新井優奈です。
入社して約2ヶ月。社会人の基礎と、弊社の仕事を理解・体感する「基礎研修」もいよいよ大詰め。最後の難関は「提案書研修」です。「提案書」ってなに? から始まるグループワークで発見した「チームで働くこと」の種をお届けします。
「本質的な課題解決」がしたい
話は戻って就活生時代。某美術大学でグラフィックデザイン系の学科にいた私は「本とかCMとか、そういう媒体にとらわれるより、誰かが本当に欲しがっているデザインを色んな人と考えてつくりあげることを大切にしたいなあ」と考えるようになりました。
かくかくしかじかありまして、クライアントの本質的な課題解決を目指す弊社に一目惚れ。無事に入社を決め、さまざまなバックグラウンドをもつ同期・先輩方と出会い、最高に楽しい新環境に足を踏み入れました。話し合いでも、個性豊かで和気あいあいとした雰囲気が流れます。
「自己紹介プレゼン」(詳しくはこちらの記事をチェック!)もドタバタのうちに、なんやかんやで無事に終わり、次はいよいよ「提案書研修」。
提案書研修とは?
同期のなかでチームにわかれ、ある1つのクライアントの課題解決のために施策の提案をする研修です。
研修の目的とゴールはこのようになっています。
【研修の目的】
- 自社の仕事の流れの理解
- 仕事の基礎の反復練習
- チームで働くことを体感し、「チームが機能する」ために自身がなにをすべきか考え、行動できるようになること
【研修のゴール】
- 提案書作成
- 提案書に基づいたプレゼン
「チームを」つくりあげよう!
提案書研修のチームに与えられた時間は1ヶ月。
今年は新卒が7人なので、3人と4人の2チームです。
コンペ形式での発表になるので、いわばこの2チームはライバル会社。互いの内部事情を漏らすわけにはいきません。
チームのビジョンやルールも決めて、いざ研修スタート!
さまざまなバックグラウンドを経て
私のチームは同期のなかでもまったりした感じの女子3人組。
それぞれが大学で色々なことを勉強してきています。
これはあとからわかったことですが、「提案書」「プレゼン」と聞いただけでも、3人の頭の中には別々の世界が広がっていました。
女子3人組の頭の中
チエちゃん(大学での専攻:マーケティング)
「クライアントにヒアリングをして課題を設定。それに基づく調査をして、解決策を提示しよう。」
マルちゃん(大学での専攻:物語・執筆)
「プレゼンってどうやるんだろう、あまりやったことがないなぁ……。」
私(大学での専攻:コミュニケーションデザイン・グラフィックデザイン)
「チームでどんな面白いことしようかな、ワクワク!」
試行錯誤の最中で……
研修課題において、ほとんどの時間の使い方はチームに任されています。
けれど「提案書制作」初挑戦の私たち。
どうしたら「提案」や「提案書」ができあがって、なにをプレゼンすればいいのか、まったくわかりません。時間の使い方もさっぱりです。
先輩方をヒントに
そんなこともあろうかと、さまざまな講義がありました。(先輩方ありがとうございました。)
- 広告・マーケティングなどの理解のための講義を受ける
- 調査・デザインなど「提案書」の要素になるものを理解するための講義を受ける……などなど
ここで得たことをヒントに、チームであーだこーだ話し合ってやり方を探っていきます。
話し合い、難航……!
女子3人組のとある話し合い
私よし、講義の内容を受けて、具体的な提案を各自で考えて発表してみよう!
チ・マそうしようー
ー各自の意見を発表後ー
チエマルちゃんの言っていたA案は良いね!
マルほんとに?よかったー。B案も良いなと私は思ったなあ
私たしかに。どっちも必要そうだよね。両方ともくっつけられないかなあ
チエそうだね!じゃあ、くっつけてみる?
マルえ……
チエえ……
私……え……???
さてさて、なにが起きたのでしょう。
提案書研修の中盤頃から、こういった会議の停滞が増えてきました。
なにが原因かよくわからないけど、なぜか話し合いが止まっている。今チームがどこに向かっているのかわからない。わからなさすぎで、これからどう話を再開できるのかわからない。そんな「謎の沈黙」の時間(笑)
さまざまなバックグラウンドの人が集まっているので、思考回路も関心もさまざまです。そういう人たちで、どうチームになるか。
「チームワーク研修」で改善しよう
チームづくりを学ぶ「チームワーク研修」の講義を受けて、メンバーの特性を活かしたチームづくりにも励みます。
この研修があって、ようやく私たちは三者三様のことを考えているのだ!という衝撃の事実に気がつきました……!
さて、それを踏まえて先程の「謎の沈黙」に包まれた会話例を振り返ると、実はこんなことが起きていたのです。
女子3人組のとある話し合い(その人の内心)
私よし、講義の内容を受けて、具体的な提案を各自で考えて発表してみよう!(まずは各自で自由に考えてみたいよね)
チエそうしようー(まずは自分の考えを整理して、みんなの意見と比較してみたいな)
マルそうしようー(研修のスケジュール的に、考えを発表したら具体的な提案をどれにするか、すぐ決めちゃったほうがいいよね)
ー各自の意見を発表後ー
チエマルちゃんの言っていたA案は良いね!(私が考えて出したものとは視点が違うし、効果も期待できる提案内容だな)
マルほんとに?よかったー。B案も良いなと私は思ったなあ(A案・B案どっちにしよう?)
私たしかに。どっちも必要そうだよね。両方ともくっつけられないかなあ(このメンバーでできる最良の提案ってどんなものだろう?)
チエそうだね!じゃあ、くっつけてみる?(折衷案にも可能性があるよね)
マルえ……(もう決めるんじゃなかったの?)
チエえ……(マルちゃんどうしたのかな?)
私……え……???(え???何が起きてる???)
……恐ろしいほど、噛み合っているようで噛み合っていませんね☆
上記の会話例からもわかるように、「言わないと周りに伝わらない」というのはもちろんですが、それ以前に「何を言うための場なのか?(目的)」「どこまで考えるのか?(前提の共有)」といった共通認識が、実はとっても重要なのです。
「チームで」つくりあげよう!
その教訓をもとに「チームでの目的・目標・前提」を毎日チームのノートに書いて共有し始めてから、私たちのコミュニケーションは格段に円滑になりました。
もし話し合いが停滞しそうになったら、チーム全員で意識的に「チームでの目的・目標・前提」に立ち返り、話し合いの軌道を修正することができます。もうあの「謎の沈黙」が訪れることはありません。
そのおかげで、最後まで「チームの」提案書を作ることができました!
専門性とチームワーク
「いろいろな立場の人と仕事でやりとりしていて、コミュニケーションが難しいと思うところはどう解決しているんですか?」
就活生のとき、デザインを仕事にしている人との会話の中でよくした質問です。
デザイナーはデザインを担う、専門性のある職種。けれど、社会においては少数派ゆえ、役割と責任ばかりが大きく、うまく他の立場の人と意思疎通したり主張したりできない可能性もあるのではないだろうか。
そんな不安からでた質問だったと思います。
今回の「提案書研修」で、そんな不安に対する大きな気づきがありました。
それは「専門性は武器になるけれど、その前提には“プロジェクトメンバーとの信頼関係”がある」ということ。
さまざまなバックグラウンドや思考回路をもった人たちと対等な関係でチームを築こうとしたことで、何をするにもチームメンバー同士の信頼関係がとても重要であることがわかりました。
チームで信頼関係ができていれば、率直に意見を求めたり、本当に親身に話し合ったりすることができるのです。そうなれば、クリエイティブな仕事は専門性によった、独りよがりなものではなくなります。制作がチーム全体のものになるのです。
さあ、これからいよいよ私たち18卒も各部門に配属されます。
自身の専門性を高めつつ、社内の人や社外の人とチームになって、「より良い!」と思える仕事ができるように、引き続き精進しようと思います!