ライターなら“違和感を感じて”当然? 新人がやりがちな11の二重表現
どうもこんにちは、リスペクトでライター&エディターをしているTKRです。
今回は初心者ライターがやりがちな「二重表現」を紹介します。話し言葉では通じても、文章にすると途端にモヤモヤを生むアレです。「重ね言葉」や「重言(じゅうげん)」ともいいますね。
「馬から落馬する」とか「頭痛が痛い」といったレベルの文章を書く人は少ないと思うので、ここでは気を抜いているとやりがちな二重表現をピックアップして紹介します。
目次
一番最初に紹介する二重表現はコレ
「最初」という言葉には「一番初め」という意味があるので、「一番最初」は重ね言葉になります。なので「一番先に」などと言い換えるか、「一番」を省いて「最初」とするだけで意味は通ります。
これと似た「まず初めに」も初心者がやりがちな二重表現といえます。「まず」自体に「最初」という意味が含まれているので、この場合は「まず」か「初めに」のどちらかを使用するだけでOKです。
そういえば、タイトルに違和感を感じない?
このブログのタイトル『ライターなら“違和感を感じて”当然? 新人がやりがちな11の二重表現』にある「違和感を感じる」は二重表現です(たぶん)。
自信を持っていえないのは、「違和感を感じる」が二重表現ではない、とする向きもあるからです。代表的な意見としては、「『違和感』という言葉は「違和という感覚そのもの」を指すので、それを『感じる』という表現で受けても問題ない」といったものです。
このあたりは日本語の難しいところですが、個人的には「違和感を感じる」は嫌いです。理由は単純で、「感」が重複していて見た目がよくないからです。二重表現だろうがそうでなかろうがどっちでもいいと思っています。たしかに耳で聞くぶんにはすんなり入ってきますが、字面にするとぜんぜん美しくありません。皆さんはどっち派ですか。私なら「違和感を覚える」にします。
このブログで紹介するのは、約11個ほどの二重表現
「約◯◯」「◯◯ほど」「およそ◯◯」「おおよそ◯◯」「◯◯程度」「◯◯くらい」といった言葉には「だいたい」という意味があるので、「約3分ほど」や「およそ50メートル程度」などは二重表現です。だいたいの数値を示したいときは、どれか1つだけを使いましょう。
ちなみに、このブログではきっちり11個の二重表現を紹介します。嘘をついてすみませんでした。
今の現状、正しい日本語を扱えるライターはどれほどいるのか
時代とともに言葉の意味はどんどん変わっていきますから、現在の正解が将来も通用するかといえば、そうではないかもしれません。「的を得る」は間違いだといわれていましたが、今じゃ「的を射る」と同じように使っても差し支えないみたいですし(詳しくは『三省堂国語辞典』の第7版を引いてみてください)。
脱線しました。ここで紹介したいのは「今の現状」という二重表現です。「現状」という言葉が「今」の状態を指すので意味が重なっちゃってる、ということですね。ちゃんと考えればわかりますが、ほかの情報に気を取られていると見落としがちだと思います。
日本語を間違えたら、お客さまは何とおっしゃられるだろう
接客アルバイトの経験がない学生さんや、お客さま対応が少ない仕事をされている方のなかには、どれが二重表現かピンと来ない人もいるかもしれません。敬語って難しいですよね。ということで、ここで紹介するのは「おっしゃられる」です。二重表現というより、二重敬語といったほうが適切ですね。
「おっしゃる」という言葉だけで問題ないのに、尊敬の意味を持つ助動詞「れる・られる」をつけちゃったパターンです。「話される」と言い換えても間違いではありませんが、文脈によっては受け身の表現に読めてしまう可能性もあるので、「おっしゃる」としたほうが無難でしょう。
「勉強しておけばよかった」と、あとで後悔したくない
後悔先に立たず。私もできることなら失敗したくないので、準備に時間を費やすようにしています。失敗は成功の母だとは思いますが、お客さまの前では口が裂けても言えません。
話を戻します。「後悔」は「あとでするもの」なので、「あとで後悔する」は二重表現です。「あとで悔やむ」や「悔恨を感じる」と換言することもできますが、使用するシーンはそれほど多くないと思います。
はっきりと「私はプロです」と明言できるライターになろう
さて、日常的に文章を書かない・読まない人はわかるでしょうか。学生時代の私なら間違いなくわかりませんでした。「はっきりと明言する」が重ね言葉です。
「明言する」に「はっきりと言う」という意味があるので、意味が重複しているわけですね。「はっきりと断言する」も同様に二重表現なので、はっきりと言い切ることを示したいときは「断言する」とか「明言する」だけでOKです。
返事をすぐに返すのって、すごく大切
「返事」には「返す(答える)言葉」というような意味があるので、「返事を返す」は二重表現となります。なので「返事をする」としましょう。「返事を出す」という表現もありますが、これは主に手紙などに用いられる印象ですね。電子メールにも使えると思います。
ぜんぜん関係ないのですが、記事の公開日や原稿の納期が近づいたタイミングで相談事が出てしまったとき、すぐに返事をくださるクライアントは本当に信頼感があります。
返事といえば「お体をご自愛ください」ってなんか温かい
返事つながりですが、メール文面の最後なんかに書く「お体をご自愛ください」は二重表現です。「ご自愛ください」には「体を大切にしてください」とか「健康に気をつけてください」という意味があるので、重複してしまっているということです。
仕事上のお付き合いだとしても、ちょっとした気遣いに触れたり温かい言葉をいただいたりすると、忙しくてもなんだかやる気が出ますよね。
「この言葉、必ず必要か?」と、常に自問しよう
字面でわかると思いますが、「必ず必要」は二重表現です。それが「必ず要る」ものだから「必要」と書くわけですね。
ライターや編集者であるなら日本語の正確性には敏感であるべきと思います。が、実は、二重表現は間違いでないという見方もあります。たしかに意味が重なっているだけなので間違いとは断言できないかもしれません。
ただ、情報として無駄だし、冗長であることは事実です。プロとして、そのあたりも抜かりなく対応していきたいと思います。
最後に、このブログが広く普及することを願って
最後に紹介する二重表現は「広く普及する」です。これは新人ライターがけっこう使いがちなので、これからライターを目指す人は覚えておくとよいと思います。「普及」は「広く行き渡る(行き渡らせる)こと」を指すので、「広く」を省略して「普及する」とするだけでOKということになります。
はい、ここでおしまいです。今回紹介した11の二重表現、いかがでしたか。二重表現への指摘自体が初心者向けなので、物足りない人もいたかと思います。今度はもっとおもしろいものを書きますね。
よかったら、他のカテゴリーのブログも覗いてみてください。株式会社リスペクトがどんな会社なのか、より詳しく知ることができると思いますよ。