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【広告系・WEB系企業の営業マン日誌】その2:飛び込みって何?

前回はリスペクト営業の端田が考える「営業とは何か?」についてご紹介させていただきました。今回ご紹介するのは、リスペクト営業の端田が考える「飛び込み」です。飛び込みとは何か?ということをご紹介しつつ、最後に端田が過去に経験した忘れられない飛び込みエピソードを1つご紹介します。

1. 飛び込み営業とは?

ここで私見ではありますが、一般的に言われていそうな「飛び込み営業」について、自分の経験に基づいて定義づけるなら以下のようになります。

 

飛び込み営業:訪問先リストの企業に対して、アポも取らずにいきなり担当者へ接触を試みる方法。

ここでのポイントは「アポも取らずに、いきなり」という点です。新入社員の方や飛び込み営業に慣れていない方が、飛び込み営業を嫌う理由の一つが、これかもしれません。アポも取らずにいきなり行くので、訪問先ではたいてい「アポ取ってから来てください!」と怒られたり、「こういうときって、普通アポ取りませんか?」と常識を疑われたりするから嫌なんですよね。飛び込む側もドキドキしながら受付に行くのに、こういう対応をされてしまうと、ちょっと心が折れそうになりますよね。

 

だから、みんな飛び込み営業が嫌なんですよね。

※そうじゃない理由もあるかと思いますが、この記事では、訪問先で冷たい態度を取られるのが辛いということにして進めます。

 

この飛び込み営業とは違う営業方法もあります。それはテレアポと呼ばれている営業方法です。

テレアポは、その名の通り電話でアポを取ってから訪問する方法です。飛び込み営業が苦手な方でも、テレアポからの営業なら抵抗なくできると言われることがよくあります。

 

飛び込み営業は「いきなり」訪問する、つまり相手の都合を考えずに訪れるので、普通に考えたら無礼という話になるのも当然です。一方、テレアポからの営業は、きちんとアポを取るので、相手の都合に合わせることができるため、飛び込み営業に比べて客先の担当者に比較的受け入れられやすいのです。

 

どちらの営業が良いということではなく、どちらも一長一短あります。ですので、営業接触したい企業ごとに、どちらが適しているか選択した方がいいかもしれません。

 

ただし、1つだけいえることがあります。

それは、テレアポも広義に解釈すれば「飛び込み営業」と同じだということです。

 

2. 出会いは突然に

ここ数日、端田の私用携帯電話に「資産運用のためにマンションを購入しませんか?」という変な電話が突然かかってきます。どういう経路で電話番号を入手したかはわからないのですが、とにかく突然です。困ったものです。嫌な気持ちになります。

 

ご理解いただけましたでしょうか?

 

そもそも、アポを取ろうが、取らなかろうが、担当者に初めて接触するのに「いきなり」は避けられないのです。そして、どんな商品を扱おうと、どんなタイミングであろうと、「いきなり」の接触は人を嫌な気持ちにさせることが往々にしてあるのです。

 

対法人への電話営業でも状況は同じといえます。電話をかける側の段取りや気持ちはどうであれ、電話を受ける側は「いきなり」営業電話がかかってきたと感じているはずです。

 

少し違った事例もここで紹介します。端田が休日に洋服屋さんで洋服を見ていると、「何かおさがしですかぁ。これなんかぁ、今年の春ぅ、ウチで一番のおすすめ商品なんですよぉ~。」と店員さん。こちらが「何かおさがしですか」の質問に答えようとしているにも関わらず、答える前におすすめ商品をアピールされることもありました。

 

すでにこの洋服屋の商品を買おうとしているのにも関わらず、「いきなり」話しかけられ、「いきなり」自分のおすすめを言われたことで不快な気持ちにさせられてしまうのです。

(この店員さんは、仕事を全うしているだけなので、責めるつもりはございません)

 

要するに、どんな営業活動も、すべては「いきなり」の接触からスタートするということです。よって営業される側がどの初回接触方法だったら、この「いきなり」による不快指数を低く保つことができるか?を常に考えておかなければなりません。

 

3. 飛び込んでも怒らせない

「そうはいっても、飛び込み営業で、人を不快にさせない方法なんてあるの?」

「そもそも会ってくれないよ?会ってもらえないなら、営業じゃないじゃん!」

このように思われる方もいるでしょう。その通りでございます。まず、誤解なきようにお伝えしますが、人を不快にさせない「いきなりの営業」なんてございません。それはどんな営業方法であっても、突然の初回接触は人を不快にさせます。

 

※高級レストランのフロアチーフや高級ホテルコンシェルジュ、老舗旅館の女将は「初めてのお客様を不快にさせるなんてありえない!」というご意見を持たれるかもしれませんが、それも異論はございません。ただし、それには前提があります。宿やレストランはお客様が主体的に初回接触を望んで、その場に行くからです。そこに「いきなり」に対する不快感は介在しません。今回はそういった状況は割愛させてください。

 

繰り返しますが、重要なことは不快指数を低く保たせようとすることです。

そして飛び込んだときに、何を話し、どれくらい伝えるのか?ということです。

 

多くの営業マンは飛び込みをすると、受付対応の方に「わたくし、WEB・マーケティング支援をしております株式会社●●●の山田太郎と申します。販促・広告関係のご担当者はいらっしゃいますでしょうか?」などと言うことが多いでしょう。

 

間違いではございません。

でも、たいてい話を聞いてくれないのではないでしょうか?

 

私はこの訊ね方でうまくいったことは少ないです。

ここで問題なのは、発言内容ということではなく、目的をうまく伝えていないことだと思います。

 

上記の質問の仕方では、「あ!営業が来た!めんどくさい!」「この忙しいときに来ないでくれよ!」と担当者の胸中は穏やかではありません。

 

だから私は、上記の言葉を少しだけ次のように変えて、面会依頼をしています。

「わたくし、WEB・マーケティング支援をしております株式会社リスペクトの端田と申します。本日、たまたま近くにきたもので、もしよろしければご挨拶だけでもさせていただけないでしょうか?」

この方法ですと、100%成功、、、し、、、ませんが、かなりの確率でお会いできます。

 

とくに、受付担当の方が専任でいらっしゃるところは、すぐに担当の方を呼び出してくれるので、門前払いはございません。しばらくして担当者らしき人が出てきます。

「ごめん、改めてアポ取ってくれるかな?これから会議なんだよ」

「今忙しいんだよ」

「もうすぐ出掛けなきゃいけないんだよ」

「15時から来客予定なんだよ」

よくあることです。

そういうときに備えて、次のように言います。

「ですよね。本当に突然ですみません。弊社はリスペクトといいまして、WEB・マーケティングに関するご支援をさせていただいております。ときどき近くを通っていて、御社のことが気になっておりました。当社で何かご支援できることないかなと思い、今日思わず飛び込ませていただきました。」

ここで担当の方は、興味があれば

「ホームページとか作ったり、リスティング広告もやってくれるの?」

「安いの?」

「資料とかないの?読んでおくよ」

などと答えてくれます。

 

ここで、詳細を説明してもいいのですが、もともとこちらはアポを取っていないし、この状況は玄関先の立ち話です。ちゃんと聞いてくれるわけがありません。

ですので、私であればここはぐっとこらえて、次のようにお答えします。

「はい、WEBに関することであれば広くご支援することができます。今日は本当にご挨拶までという気持ちで飛び込ませていただきましたので、資料は持ってきていないんです。すみません。後日、実績紹介等も兼ねてアポを取らせていただき、資料をお届けしてもよろしいでしょうか?

これで飛び込みは終了です。

 

4.飛び込んでからが本当のアポ取り

つまり、飛び込み営業は挨拶だけ、簡単な自己紹介だけの営業です。

学校に例えると、新学年になって友達と呼べる人がまだいない初日と同じです。

 

全て自分のことを話そうとしても、相手はすぐに興味を持ってくれたりはしません。

 

だから、興味を持ちたくなるように、要点だけ伝えます。

1. 挨拶
2. 会社・事業概要を伝える
3. 詳細について聞かれても、答えない。資料も渡さない
4. 後日改めてアポを取る

で、これをできれば3分以内(多少興味を持っていただければ5分~10分も可)に済ませる意識を持ちます。そうすることで、「突然押しかけてきてダラダラと自分の売りたい商品やサービスを紹介し始めた、、、、」と思われないようにします。

 

また、各要素には営業側の意図もあります。それは次のようになります。

1. 挨拶=名刺交換(担当者確認)
2. 会社・事業概要を伝える=興味・接点を探る
3. 詳細について聞かれても、答えない。資料も渡さない=興味を持っていただく
4. 後日改めてアポを取る=ちゃんと当社について説明する時間を設け、聞く姿勢をもってもらう

これにより、今度はちゃんとした説明のためのアポが取れることになります。

 

そうです。お気づきのように飛び込み営業は、飛び込んでその場できっちり営業することが目的ではありません。そして、飛び込み件数を稼ぐことも目的ではありません。その目的は、飛び込み先の担当の方にきちんと自分の会社のことを聞いてもらう、理解してもらうための時間を予約することです。そのためには少しでも不快さをなくし、できればよい印象で、また会ってもいいかな、と思わせることが重要なポイントとなります。

 

5. 終わりに―痛い新人さん

以上で、端田なりの飛び込み営業とは何かのお話となります。

いかがでしたでしょうか?

あくまで私なりの営業スタイルなので、こんな営業活動はありえないとお思いの方もいるかと思います。こういう飛び込み営業の仕方もあるんだという程度でとらえていただければ幸いです。

 

さて、最後に私が経験した忘れられない飛び込みのエピソード。

 

ある携帯ショップに飛び込み営業をした時の話です。

ご存知の方もいるかもしれませんが、携帯ショップには各店舗に販促予算が振り分けられていて、ある一定の金額であればその店舗の店長に決裁権があります。

 

それを期待して若かりし頃の私は、よく携帯ショップ各店へ飛び込みをしていました。その時のエピソードです。

 

ある日、いつもと同じように新しい店舗に飛び込みました。

「●●●(当時勤めていた広告会社)の端田といいます。携帯ショップのチラシや販促企画などを得意としております。今日は近くをたまたま通りましたので、もしかすると何かご支援できることがあるかと思い、寄らせていただきました。恐れ入りますが、販促担当の方、もしくは店長はいらっしゃいますか?」

(あえて、「販促担当の方」も言っていました。携帯ショップの事情を知りすぎているのがばれると、営業しまくっていると思われて、会ってもらえないかもと思ったので)

こう言っていつものように、自分の名刺を受付担当の若い男性店員に渡しました。

ふと、胸元を見ると初心者若葉マーク。「はい」と小さな声で答えたのち、私の名刺をしっかり両手で持ちながらパーテーションで仕切られている事務所エリアへ。

 

パーテーションのガラス越しに、店長らしきベテラン社員へ名刺が渡され、何やら話をしている姿が見えました。1分と経たないうちに、お渡しした名刺を持ったまま、その新人と思われる社員の方が戻ってきて一言。

「店長はいませんと、店長がおっしゃってました」

来客対応に慣れていないのはしょうがないのですが、、、。

 

とはいえ、こういう門前払いは、くすっと笑えて心折れずにいられますね。