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毎週金曜日に、会社でおやつを1年間配り続けるとどうなるか

こんにちは!フロントエンドエンジニアの大島です。

リスペクトには「強制おやつ」というイベントがあります。
中途で入社した1ヶ月後に、私が勝手に始めました。
「イベント」と言いましたがあくまで勝手にやっています。

今回は、このイベントを1年間実施して得られた知見をご紹介します。

 

強制おやつとは

概要

  • 毎週金曜日15:00、クッキーなどの小さいおやつを配ります。
  • 配られる方々の忙しさを無視して、「強制的に」おやつが配られます。

このようなイベントです。

 

用語

「おやつを配る」という単純なことですが、なんと用語が存在します。

 

おやつスポンサー

配るおやつを提供する人のこと。おやつはスポンサーが自腹で購入します。
お金を集めてしまうと「〇〇が食べたい」「〇〇は食べたくない」など様々な意見が入ってしまうためです。
そもそも私が勝手にやっているので、お金を集めるのはおかしな話です。

 

配り手

おやつを配る人のこと。ニコ二コ動画の歌い手・踊り手と同じです。とにかく配りたい!という社員であれば誰でも務めることができます。
1人の社員がおやつスポンサーと配り手を兼任する場合もあります。

 

おやつエリア

おやつが配られる座席のエリアのことです。
私の部署と、近隣の部署を対象にしています。

 

もらい手

おやつエリアの住人です。おやつがもらえます。
2018年5月現在で26名が対象です。

 

なぜ始めたか

周りには「社員間のコミュニケーション促進のため」というもっともらしい説明をしていますが、これはまったくの嘘です。
本当は「大島の趣味」が理由です。
私はおやつを買って配りたいだけなんです。

 

どのような準備をしたか

強制おやつのイベントを開始するにあたり、次のようなツールを準備しました。

 

カゴ

おやつを配るには、おやつを入れて持ち歩くカゴが必要です。
赤ずきんちゃんが持っているようなカゴをイメージして探しました。

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色々な店を探し回り、おやつ収納の性能が良く、安定感に優れたカゴを購入しました。
おやつを入れるとこのようになります。

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チャットの「強制おやつ」連絡網

強制おやつに関する連絡をするための、チャットの連絡網です。
弊社では社内のコミュニケーションにチャットワークやSlackを利用しています。
そこに「強制おやつ」というグループ・チャンネルを作成して活用しています。

チャットでは、このような時報を金曜の15時前に流しています。

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問題が発生しました

強制おやつイベントも軌道に乗ってきたころ、ある問題が発生しました。

弊社の代表はお菓子を主食としています。
代表は、会社の経営に関する重要な打ち合わせを終えると、社内に置いてあるおやつ箱に直行します。
そして打合せの合間にお菓子を食べ、わずかな時間でエネルギー補給をして次の仕事に移ります。

そんな代表が指揮を執る会社で、私の席にカゴいっぱいのお菓子があるとどうなるでしょうか?

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「おっ!ここにもおやつ箱がある!」となります。
過去に何度かおやつの存在を代表に認識されてしまいました。結果としておやつが減ることがありました。
これではおやつエリアのもらい手に配るおやつが足りなくなってしまいます。

 

対策と解決

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おやつカゴに布をかぶせて隠すことで容易に解決できました。

 

リスクを最小に

さらに、高いところにおやつを置くことで見つかりにくくし、おやつが減るリスクを最小にしました。

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本棚の上で、配られるのを待っているおやつの様子

 

どのようなおやつを配っているか

普段のおやつ

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定番はお菓子のファミリーパックです。

普段からボリューミーなお菓子や高価なお菓子を配っていると、もらい手が「おやつ慣れ」してしまいます。(これも用語化する予感がします)
そうするとおやつスポンサーも空気を読んで、見劣りしないお菓子を選ぶようになってしまいます。
かといって駄菓子ばっかりを配ると安っぽさを感じてしまいます。
ファミリーバックのお菓子は程よい大きさと価格なので、強制おやつにふさわしい幸福感が得られます。

 

ファミリーパックには罠があります

もらい手は26名です。
お菓子が26個必要です。

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おやつスポンサーは「ホームパイのファミリーパック40枚入りで足りる」と計算しておやつを準備します。

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しかし、これは2枚組の個包装なのです。ファミリーパックに入っている個包装は20包となります。
これではおやつが足りません!!

これに泣かされるおやつスポンサーが続出しました。

 

バレンタインデー

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バレンタインデーのある週にはチョコレートを配りました。
「勘違いしないでよね!義理なんだから…」と言いながら私(男性)が丁寧に配りました。

 

連休明けのおやつ

ゴールデンウィークやお盆休暇のあとは、帰省や旅行をした社員からのお土産が集まります。
お土産のおやつを配ると「〇〇に行ってきたんだね!」という会話が生まれます。

 

避けるべきおやつ

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香りの強いものは配らないほうがよいです。
ひとりで食べている分には香りはさほど気になりませんが、20名以上が同時に食べると香りが強くなります。
例えばよっちゃんイカを配ると職場が何だか酸っぱい臭いになってしまいます。

意外にも、おせんべいなどの米菓も香りが強いです。
「あっ!おせんべい食べんたんだな!」という香りが職場に充満します。
換気が必要となってしまいます。

 

会社でおやつを配り続けてどうなったか?

1年間おやつを配り続けた結果、このようなことが起きました。

 

「エアおやつ」の誕生

とある週、配り手とおやつスポンサーを私が担当していた日の話です。

私は担当している大型案件のリリースを控えており、おやつの準備が間に合いませんでした。

そこでおやつ用の連絡チャットにて「本日のおやつはありません!おやつ抜きです!各々の脳内でおやつを補完してください!」と連絡しました。

するとどうでしょう…?もらい手たちが、好きなおやつを脳内で味わい、チャットで感想を述べ合っているではありませんか。

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おやつが配られなくても、ちゃんとおやつのイベントとして成立していました!これが「エアおやつ」の誕生です。

…これはもしや、おやつ要らないのでは?

私は一瞬そのように考えましたが、自分で始めたイベントの運営を放棄するのは無責任なので、ちゃんとおやつ現物を配る活動を続けました。

 

哲学が発見される

おやつの配り手は、ほぼ毎回私が担当しています。

毎回「ちょっと恥ずかしい」と思いながら配っています。

稀に「配り手をやりたい!」と立候補してくれる奇特な方もいるので、その場合は配り手をお任せします。

他の人に配り手を任せる週は、私はもらい手側になります。
もらい手をやってみた感想は「おやつをもらうとき、ちょっと恥ずかしい」でした。

つまり、おやつの時間は全員が「ちょっと恥ずかしい」と感じているということになります。

「おやつを配る側は恥ずかしいが、配られる側もまた、恥ずかしいのだ」という哲学が発見されました。

 

お土産配りのアウトソーシングとして活用できる

この記事を読んでいるみなさんも、帰省や旅行した先で友人用・職場用のお土産を買うことがあると思います。ですが「お土産を配る」ためには、色々と考えなくてはならないことがあります。

まずは配る対象。学校なら「仲の良いグループの人には必ず渡すにしても、サークルや部活の人はどうしよう」と考えなければなりません。

職場でも「所属している部署の人には必ず渡すにしても、普段業務で関わる他部署の〇〇課にも渡したほうがいいかな…」などと考えなければならず、意外と面倒です。
また、配り方も考えなければなりません。ひとりひとりに手渡しで配るのか、各々のデスクにそっと置いてまわるのか、わかりやすいところに「お土産です!ご自由にどうぞ!」とメモを書いて置いておくのか。

おやつエリアに属していればこうした悩みは解消します。

  • 配る対象(もらい手)が決まっています。
  • 配り手にお土産を渡せば(おやつスポンサーになれば)、勝手に強制おやつとして配られます。
  • 配り手が私の場合、「●●さんのお土産です」と一言添えながら配るので、もらい手の印象に残りやすいです。そのため、おやつチャットにて「〇〇に行ってきたんだね!」「美味しかった!ありがとう」というレスポンスがもらえやすいです。

このようなルールがある強制おやつを活用することで、あなたはお土産を選ぶことに集中できます。

 

会社の公式イベントとして求人媒体に掲載される

弊社は様々な媒体に求人情報を掲載しています。
中途採用のとある媒体に「毎週金曜日は強制おやつ」と掲載されるようになりました。

こちらが例です。

フロントエンドエンジニア 募集ページ
フロントエンドディレクター 募集ページ

会社の公式イベントとして紹介されたので、なおさら「エアおやつ」は避けるべきと思いました。

 

おわりに

弊社では会社の文化や雰囲気を、社員それぞれが作り出しています。

私の趣味のために始めた「強制おやつ」は、結果として社員間のコミュニケーション促進につながり、採用活動に活用されるようになりました。

「こういう会社にしたい」という想いがあったら、それを誰かが実現してくれるのを待つのではなく、自分から動き出して変えていくことができます。