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新人デザイナーが最初一年でぶち当たる壁とその対処法

デザイナー

こんにちは。リスペクトの新人デザイナーの岡村です。実は、私は入社前までWeb制作のスキルは無いに等しく、そもそもWeb制作自体が好きではありませんでした。そんな私が新人デザイナーとしてぶち当たった3つの壁とそれをどう乗り越えたかを、経験談を交えてお話させていただきます。

 

大学時代の私について

Web制作のスキルはゼロに等しかった

リスペクトに入社するまで、大学ではプロダクトデザインを専攻していました。いわゆる製品デザインです。 「生活に密着したデザイン」の一環として、Webサイト制作もほんの少しですが習いました。
といっても、簡単なポートフォリオサイトを実際に自分でデザインからコーディングまでやって作る、という演習を少し受けた程度。それ以上のWebサイト制作に関する知識も経験も持ち合わせていませんでした。 さらに言うと、グラフィックデザインもこれまでまともにやってこなかったため、PhotoshopやIllustratorといったソフトを操作できてもデザインのスキルはほとんどないに等しい状態でした。

 

そもそも嫌だった

大学の演習でWebデザインを少しやったと書きましたが、その時は正直苦痛でしかありませんでした。 知識も経験も技術もない。そんな状態でいきなり「Webサイトを作りましょう」だったので何をどうしたらいいのかわからず、闇雲に制作した記憶があります。

結果、ろくなものには仕上がらず「こんな事もう二度とやりたくない」とすら思いました。 それほどまでに嫌悪したからこそWebの世界でどんな人が働いているのか興味を持ちました。でも、Web制作をしている人たちの気持ちは、実際に自分もやってみなくてはわかりません。だからこそ挑んでみようと思い、今に至ります。苦手な分たくさんの壁にぶち当たって来ました。 まだまだ勉強中の身ですが新人デザイナーとして働くようになり、どんな壁にぶち当たってどう乗り越えてきたのかを一部ですが書いていこうと思います。

 

Webデザイン未経験からのスタート

Webデザイン未経験者ということで、先輩デザイナーさんにソフトの使い方から教わりました。 当初は丸投げ覚悟でいたので、あまりの丁寧さに驚きました。わからないことはすぐに聞くことができましたし、1聞くと10返ってくるくらい本当に丁寧に指導してもらえる恵まれた環境で、オペレーションスキルはめきめき上達しました。

 

ぶち当たった3つの壁とその対処法

デザインできない

ソフトのオペレーションスキルが身につくと、さっそく壁にぶち当たります。デザインです。ここでいう「デザイン」とは、お客さんが抱えている問題を解決する表現を新たに生み出すこと。 せっかくデザインをやらせてもらっても、文字を置くだけ、画像を置くだけのものしかでき上がらず、「デザインできてないね」という指摘を毎回受けました。ああでもない、こうでもない……とぐるぐると悩んでいるうちに、時間だけが流れていく状態が続きました。

 

【対処法】アイディアのストックをためる

そんな時に助け舟を出してくれるのはやはり先輩デザイナーです。「文字のサイズや太さを変えてメリハリをつけてみたらいいよ」「文字を傾けて動きを出してみたら?」「吹き出しなどの装飾を加えてみては?」など様々なアドバイスをもらいました。自分の中にデザインのストックが全然なかったこともあり、小さな工夫もすごく新鮮に思えて、どんどん取り入れていくようになりました。

かといって先輩に教わってばかりではいられないので、参考になるサイトやバナーなどの広告を調べてアイディアのストックをためるようにすることで、少しずつ悩む時間を短縮しデザインの工夫もできるようになってきました。 また、様々なキーワードを考えながら参考資料を探すことで検索ワードのボキャブラリーも増えて、参考を探す時間も短縮されていきました。

 

デザインに意味を持たせられない

デザインのストックが増えると同時に「何となくそうした」というデザインが増えました。 参考を探して、かっこいいと思ったから取り入れてみた。形に意味はないけどアクセントに入れてみた。そんな感じで今度は「デザインに意味を持たせられない」という壁にぶち当たったのです。

それでは制作を進めるうちにどんどんつじつまが合わなくなります。そればかりか、クライアントの意図に沿わない、ユーザーに何も響かないデザインになってしまうのです。 もちろん、自分ではいいと思ってやっているのでそんなことには気づけません。クライアントからの手戻りが発生するなんてこともよくありました。

 

【対処法】「なぜ?」を考える

制作指示やワイヤーを見たときや、デザインする過程で「なぜ?」を考えるように心がけました。 なぜこのような指示内容なのか。なぜこの配置、この色、この形なのか。すべてに理由を求めるように心がけることで、デザインにコンセプトを持たせたり、クライアントの意図やユーザーの視点について考えたりするきっかけにもなりました。

 

スピードとクオリティの両立ができない

正直、スピードとクオリティの両立は未だに壁だと感じています。 イメージが固まらず、ぐるぐると悩んでしまう。結果、時間をかけたのに完成度が低いなど……。 自分の作業にかかる時間が読めなかったり、経験不足でうまく進められなかったり、新人であれば当たり前のことではあります。ですが、それで「終わらせることができませんでした」では仕事をするうえで許されない問題です。

実際にぎりぎりになってから「このままじゃ間に合わない」と気がつき、先輩に巻き取ってもらうこともよくありました。 しかし、スピードもクオリティも即座に上がりはしません。ですから「今の状態から少しでも改善できることは何か」を考えることが重要になってきます。

 

【対処法】報連相の徹底

スピードとクオリティの向上はやはり経験値度によって左右されます。それが圧倒的に足りていない新人のうちは、スケジュールの共有や困っていることの相談など、指導してくださる先輩社員へ報連相をこまめにすることが本当に重要でした。

一人で目の前の制作物と向き合っていると、今やっていることでいっぱいいっぱいになり、全体のスケジュールがわからなくなることがよくあります。先輩社員へこまめにスケジュールや進捗の共有をすると、全体のスケジュールの上で今自分がどこに位置するのかを把握できます。

自分の状況を把握できれば次はどうしたらいいかが明確になるので、あとになって「このままじゃ間に合わない!」と焦って先輩に相談……なんて事態を防ぐこともできます。また、万が一間に合わない状況に陥っても、早めに報告することができるので、ぎりぎりになって先輩にフォローしてもらうということも少なくなりました。

 

大嫌いが日常になった今

ほぼ全くの未経験からスタートして、1年半と少しがたちました。 学生時代「もう二度とやりたくない」と思ったWebデザインの仕事が今では日常です。当時のことを思うとちょっと信じられません。 今も上に挙げた「壁」を完ぺきに克服できているわけではなく、まだまだわからないことが山積みです。 しかし、チャレンジできる環境と、頼れる先輩方がいるおかげで、社会人としてもデザイナーとしてもどんどん成長できているように思います。

私はまだまだWebデザインの仕事をするというチャレンジの真っ最中です。これからもいろんな壁にぶち当たっていくと思います。 ですが、未経験でWeb制作は「大嫌い」というマイナスからのスタートからでここまで頑張ってこれたことは自信につながりました。これからも、自分なりにもがきつつ壁を乗り越えていきたいと思います。